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5月 30 2019

ハンコについてあれこれ

日頃何気なく使っている,「ハンコ」や「印鑑」,重要な時に使う「実印」や「認印」,はたまた契約書などの書類にハンコを押すときの「押印」や「捺印」,複数のページになる場合の「割印」や「契印」など,ハンコに関して実は本来の意味とは違う意味で使っていることがあります。 

今日は,ハンコに関する情報をまとめてみたいと思います。
 

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ハンコは印鑑ではなく印章

 

朱肉を付けて書類にポチっとするハンコ。あれは正式には「印章」と言います。もちろんハンコでも構いません。この点,「印鑑」と呼ぶこともあるかと思いますが,実は「印鑑」は誤りです。

「印鑑」というのは,名前が彫ってあるハンコの事ではなく,朱肉を付けて押したときに映る「印影」を登録している紙のことを言います。その紙が役所に保管されておりますので,「役所に登録してある印影(印鑑)の証明書」が印鑑証明書ということになります。もっとも,現在は紙で登録されていることはなく,データとして登録されています。

ただ,実際にはハンコのことを印鑑と呼ぶことが多いので,私もハンコのことを印鑑と呼んでいます。 
 

実印と認印は登録の有無

 

上記のとおり,役所に印影を登録してあるハンコのことを俗に「実印」と呼び,そうでないハンコのことを「認印」と呼びます。したがって,すごく立派なハンコを作成しても役所に登録していなければ認印ですし,100円ショップで買ってきたハンコを登録すればそれが実印となります。なお,実印,認印ともに法律用語ではなく俗称となります。
 

また,重要な契約のときに実印での押印を求められることがあるかと思いますが,法的な効力としては実印でも認印でも効力が変わることはありませんし,もっと言えばハンコでの押印がなくても署名があれば有効な書面となります(民事訴訟法228条4項)。よく,「今日ハンコを忘れたので指で押します。」みたいなことがありますが,法的にはあってもなくても効力は同じです(ただし,本人が署名したことを否認した場合に指印で立証することはあると思います。)。
 

ただ,署名の場合は本当に本人が書いたのかどうかの判断が難しく,認印だと第三者が押印したものも同じ印影であるため,本人しか持っていないだろう実印を押印した方が本人の関与を立証しやすくなるため,重要な契約では実印での押印を求めることが多いと思います。
 

なお,法的な効力は別問題として,手続的にご本人が関与していることを証明するために必ず実印での押印を求められることがあり,その場合は必ず印鑑証明書(通常は発行から3か月以内)の添付を求められます。例えば,不動産の売買に関する登記申請の際には売主さんの印鑑証明書が必要書類となっておりますし,自動車の売買だと当事者双方の印鑑証明書の提出を求められます。 
 

押印と捺印は基本的に同じ

 

ハンコを押すことを「押印」と言ったり「捺印」と言ったりしますが,どちらもハンコを押すという意味は同じでありどちらでも正しいです。両方の頭文字をとって「押捺」と呼ぶこともありますが,これも同様です。
 

ただ,使い方として押印は「記名押印(ゴム印やすでに印字してあるものにハンコを押す)」として使われることが多く,捺印は「署名捺印(自ら署名をしたうえでハンコを押す)」として使われることが多く,押捺は「ハンコを押すことに加えて指印を押すことも含む」と微妙に違いがありますが,いずれも「ハンコを押す」という意味としては同じですので,結局はどれでも良いということになります。 
 

割印と契印は複数の紙に跨って押印

 

契約書が2ページになるときに,1ページ目の裏と2ページ目を重ね合わせてハンコを押すことがあります。一般的に「契印」や「割印」と呼ばれていますが,これは「契印」となり「割印」は誤りとなります。
 

契印は当事者が知らぬ間に契約書の一部が抜き取られたり加えられることを防ぐためにハンコで痕跡を残しておくことに加えて,一連一体の契約書等であることの証明にもなり,契印がないと役所での申請が通らないことがありますので結構重要な行為です。
 

一方,割印とは正副など同じ書類がある場合に,どちらも同じ内容の書類であることを示すために正副の書類に重なるように押印したり,関連する書類について重なるように押印することを指しますので,実生活上では割印をするケースというのはあまり多くないと思います。
 

なお,切手や収入印紙などが使用済みであることを示すためにハンコを押すことを「割印」と呼ぶことがありますが,これも誤りであり正しくは「消印」と呼びます。
 

ということで,雑学的な内容になってしまいましたが,この仕事をしていると間違って使ってしまうと恥ずかしいケースがありますのでまとめてみました。

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5月 29 2019

ブログ目次

売買に関すること

 
平成25年4月1日よりオンライン減税が無くなります
個人間売買について
農地の売買
住宅ローン減税(2012年版)
家賃と住宅ローンの金額「のみ」を比較してはいけません!
東日本大震災被災地域の不動産を取得した場合の例外措置
住宅ローンの固定金利と変動金利
裁判所の競売で購入する方法
土地区画整理組合が販売する保留地
不動産売買の決済当日に起こるトラブル
権利証(登記識別情報通知書)を失くしてしまった場合
住宅ローンの変動金利増加
住宅ローンは人生を賭けたギャンブル(になることもある
権利証に関する誤解を解消してみよう!
印鑑について
地面師と司法書士
司法書士を選びたい
土地を購入し,建物を新築する場合の登記費用について
登記識別情報通知書のシールは剥がすべきか
4月1日から変わるものと変わらないもの(不動産登記的に) 
「本人確認情報」と「権利証の再発行」は同じではありません。 
登録免許税の減税について 
平成29年4月1日からの各種減税措置  
地面師暗躍 
破産物件の購入 
住所のつながりを証明する書類 
仮登記について 
ハンコについてあれこれ 
 

贈与に関すること

不動産の贈与について
登記の持分と贈与税
相続が得か贈与が得か
権利証(登記識別情報通知書)を失くしてしまった場合
財産分与の登記について
相続時精算課税制度を使っての贈与
農地の時効取得 
認知症の方が所有されている不動産の売買・贈与 
贈与と遺贈  
不動産屋さんを通さない不動産の売買について 
地面師真っ盛り 
  

相続に関すること

遺産分割協議に参加できない方がいるとき①
遺産分割協議に参加できない方がいるとき②
第3順位の相続は波乱となるので,その前に手を打つべき
「相続放棄」はプラスマイナスどっちも放棄です!
お葬式の費用は誰が負担するのか
知らない兄弟がいた!
相続が得か贈与が得か
嫡出子と非嫡出子の相続分の差は違憲(ただし,高裁決定)
「私の相続分は1/2ですよねぇ。」
相続登記の費用についての補足①
相続登記の費用の補足②
遺言を書いた人よりも先に相続予定者が死んでしまった場合
改正原戸籍
登録免許税や相続税等の改正
相続放棄ができなくなってしまう「法定単純承認」
非嫡出子相続分違憲決定など
亡くなる前に相続放棄
財産管理協会「認定司法書士」登録
自分の子どもではないにも関わらず認知した場合(最高裁判決)
遺産分割で問題となる事項(特別受益編)
遺産分割で問題となる事項(法律とは異なる取り扱いの銀行預金編)
遺産分割で問題となる事項(使途不明金編)
遺産分割で問題となる事項(国債編)
生物学的な親と法律上の親
遺産分割協議は早めの方がお得??
葬儀についての法律関係
一部の相続人からの預金の払い戻し 
認知症の方がいらっしゃる場合の相続(遺産分割) 
失くなった・間違った戸籍 
花押は押印ではありません 
未来につなぐ相続登記
「法定相続証明制度」の導入
遺贈の放棄
預金も遺産分割の対象に(最高裁判決) 
法定相続情報証明制度 
相続登記の登録免許税が無料になる(かも) 
相続財産管理人の選任
夫婦間における自宅の贈与の特例は得か 
相続登記の免税について 
配偶者居住権の新設
自筆証書遺言の方式の緩和
相続登記の義務化(?)
 

遺言に関すること

遺言でできること
自筆証書遺言と公正証書遺言
遺言のススメ
私の財産のすべてを息子に相続させたい
遺贈に関する注意点
一部の相続人からの預金の払い戻し
農地の時効取得 
遺言書の撤回 
「贈る」の意味と受遺者の相続人に対する遺贈 
 
 

抵当権抹消に関すること

住所変更登記が必要な場合と要らない場合
遙か昔の抵当権が残っている場合
休眠担保の特定が使えない(根)抵当権抹消
申請期限や有効期限のある書類
50年以上前の登記の抹消
登記完了証と登記事項証明書 
消滅時効を原因とした抵当権抹消登記手続訴訟 
休眠抵当権に関するページの追加について
されど住所変更登記
「敷地権」とは?

抵当権設定登記に関すること

「借り換え」の費用について 
 

その他

会社が知らないうちに無くなっているかもしれません。
大槌町及び南三陸町に行ってまいりました。
司法書士業務賠償責任保険
熊本地震により権利書等を紛失された方へ

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5月 09 2019

仮登記について

登記簿を見て,たまに仮登記が入っていることがあります。

当事務所で,数年前に仮登記を申請した件がやっと本登記できることになったので,今日は仮登記についてまとめてみたいと思います。
 

 
 

通常の登記(本登記)と仮登記

 

不動産を購入した場合,売主さんの名義から買主さんの名義に登記を変更します。これを所有権移転登記といい,登記をすることによって第三者に対する対抗力を持ち,裁判上でも所有者であると推定されます。これにより,売主が第三者に売却していたとしても,登記をしておけば自分が正当な所有者だと主張することができますし,裁判上でも反証がなければ所有者であると認定されます。

ただ,このようにすぐに登記ができれば良いのですが,中にはすぐに登記できないケース登記しないケースもあります。 

例えば,登記申請に必要な権利書等がないけど,とりあえず何らかの登記はしておきたいという場合や,条件付売買や売買予約などまだ売買契約が成立しておらずすぐには登記しないという場合もあります。このうち,前者については不動産登記法105条1号に規定されているため「2号仮登記」,後者が同条2号に規定されているため「2号仮登記」と呼んでいます。
もっとも,権利書が無いような場合には本人確認情報事前通知等によってすぐに登記申請をすることができますので現実的にはなかなか使われない仮登記であり,世の中にある仮登記の大部分が2号仮登記となります。 
 

仮登記のメリット

 

上記のとおり,仮登記には第三者への対抗力はありませんし,所有者であると推定されるわけでもありません(そもそも2号仮登記は所有権は取得していません。)。また,仮登記がされていても所有者は第三者に売却することもできますし,仮登記の存在を無視して当該第三者に登記(本登記)することもできます。 

では,仮登記を行うメリットは何でしょうか。 

これは,条件が成就していないので通常の登記(本登記)をすることはできないが,仮登記をしておいて,後日条件を満たしたときに本登記をすれば,仮登記後に現れた所有者に勝つことができることにあります。
具体的には,1番でAさんの登記が入っており,2番にBさんの条件付仮登記,3番にCさんの登記(AさんがCさんに売却した)があるとします。Bさんは現時点では所有権は得ていないのでCさんが利用することは何ら差し支えありません。
その後,Bさんが条件を満たし,Aさんと共同して2番にある仮登記の本登記をすることでCさんの登記は抹消され,Bさんの登記だけが残ることになり,名実ともにBさんは所有者になることができます。 

なお,このケースで仮登記の本登記を行う場合はCさんの承諾書が必要となり,実体としてもCさんには承諾義務があるのですが,Cさんが承諾してくれない場合はCさんを訴えて勝訴することで本登記をすることができます。 
 

2号仮登記が行われるケース

 

2号仮登記が申請されるケースはたくさんありますが,以下のようなケースが多いかと思います。
 

・死因贈与
自身が亡くなった場合に特定の人に不動産を承継させる場合,遺言が使われることが多いかと思いますが,「死因贈与」という形態で承継されることもあります。
この場合,不動産の所有者が亡くなることによっては初めて贈与の効力が生じることとなりますのですぐに登記をすることはできず,「所有者の死亡」という不確定期限付の仮登記を申請することができます(相続や遺贈については仮登記を申請することができません)。
 

・農地の売買
農地を売買する場合,農地法の許可が必要になります。この許可を得るのに時間がかかることが多々ありますので,「農地法の許可」を条件とした条件付仮登記を申請することができます。
 

・担保としての仮登記
金銭の貸し借りで,貸金が返済されない場合には貸主に不動産の所有権が移転するという「代物弁済予約」を原因として仮登記の申請を行うことがあります。もっとも,弱みに付け込んで,少ない金銭で高価な不動産を取得する事例が多く発生したことから,「仮登記担保法」によって規制されています。
 

・つなぎ融資
更地に建物を建築する場合,契約金,着手金,中間金,最終金など,建築状況に応じてそれなりの金額を建築会社に支払わなければならないケースがあります。
多くの方が住宅ローンを組んで支払うことが多いかと思いますが,住宅ローンによっては建物が完成しなければ融資できないというケースが多く,上記の中間金などは自己資金で賄う必要があります。それが用意できれば何も問題ないのですが,そのような方ばかりではないため一時的に融資してくれる会社があります。その融資のことを「つなぎ融資
」といい,最終的に住宅ローンが銀行から振り込まれた場合は,そのお金でつなぎ融資分を返済し,以降は毎月住宅ローンを返済していくことになります。
この場合において,つなぎ融資の会社も多額の融資を行いますので,土地を担保に取ることがあるのですが,通常の抵当権を設定すると融資額の0.4%の登録免許税がかかってしまいます。そこで,仮登記の出番となります。
 

というのは,抵当権の仮登記の場合は融資額に関係なく一律1000円の登録免許税で良いことになっているからです。
このように,すぐに抹消する予定の抵当権のために何万円も税金を支払って登記をするのはもったいないので仮登記で済ませようということです。
 

・自社従業員への貸付
最近はあまり見かけませんが,サラリーマンの方がご自身が勤める会社から融資を受けるような場合も,上記のように通常の抵当権ではなく仮登記であるケースがあります。 
 

買う予定の不動産に仮登記が入っていたら

 

上記のとおり仮登記の本登記がされてしまうと登記としては負けてしまい,最悪の場合は所有権を失う可能性があります。
したがいまして,ご自身への所有権移転登記に際して仮登記が抹消されるかどうかを確認する必要があります。
もっとも,仮登記どころか抵当権が設定されたままの不動産が売りに出され,売買代金でローンを返済して抵当権を抹消するというケースは普通にあります。
したがって,仮登記が入っていたとしても,抹消されることがほとんどですので,それほど構える必要はないかと思います。

以上,仮登記のお話でした。

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4月 16 2019

事前通知について

権利書(登記識別情報通知を含む。以下同じ。)を紛失等し,申請の際に提供できない場合の代替手段として3つの方法が記載されております。

→ 権利書(登記識別情報通知書)を失くしてしまった場合
 

このうち,一番多く使われるのが司法書士等が作成する本人確認情報を提供して申請する場合だと思いますが,稀に事前通知を用いる場合があります。
 

先日,私自身が遺言執行者に就任し,登記義務者となって事前通知で進める機会がございましたので,今後,事前通知の具体的な流れを依頼者の方に説明させていただくために,画像付きでまとめておきたいと思います。
 

 
 

1 事前通知とは

 

そもそも事前通知とは何かというと,上記のとおり登記申請に際して権利書が必要であるにも関わらず紛失等で手元に無い場合に行う手続です。

権利書は,本人確認を行う上での重要な書類の一つであり,権利書を提供することで所有者等の権利者自身が手続に関与していることを示すことができます。逆に言えば,権利書が無くても権利者自身が手続に関与していることが確実なのであれば登記を進めても良いということになります。

そこで,登記申請後,法務局から本当に権利者自身が手続に関与しているのかの通知を送って確認し,問題なければ登記が完了することとなります。

登記が完了する前に法務局から通知が来るので「事前通知」という手続になります(不動産登記法第23条第1項)。
 

なお,上記の本人確認情報は,法務局が事前に通知して確認する代わりに,資格者代理人(通常は司法書士)が本人確認をすればほとんどのケースで事前通知はされず,そのまま登記が完了することになります。あくまで「ほとんどケース」というだけであり,法務局が本人確認の内容が相当でないと判断したときは事前通知はなされますが,私自身及び私の周りで司法書士が本人確認したのに事前通知がなされたというケースは聞いたことがありませんので,ある意味司法書士の本人確認が権利書の代替になると考えていただいても良いです。

その分,責任が重く,故意に虚偽の本人確認情報を提供した場合は,虚偽提供罪として2年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されることになっており,実際に実刑になった司法書士も存在します(不動産登記法第160条)。
 

したがって,司法書士が本人確認情報を作成する場合にはそれなりの報酬が発生することとなりますので,可能な限り権利書は紛失されませんよう大切に保管してください。 
 

2 事前通知と本人確認情報

 

権利書が無い場合,事前通知であれば費用はかかりませんので本人確認情報の出番は少ないように思われるかもしれませんが,現実的には本人確認情報を提供する場合が多いと思います。それは,大きなお金が動くためです。

売買を想定していただくと,Aさんが所有する土地をBさんに売却する場合,通常は,金融機関でBさんがAさんに対して売買代金を支払い,立ち会った司法書士が権利書等の必要書類を受領してすぐに登記申請を行います。

ところが,権利書が無い場合に事前通知の方法を執ったとすると,Bさんは売買代金を支払ったにも関わらず,確実に登記がされるとは限りません。なぜなら,法務局の事前通知の手続が残っており,Aさんが事前通知の手続を無視してしまうと登記は却下されてしまうからです。そうなると,Bさんは売買代金を支払ったのに登記ができないという恐ろしい事態に陥ってしまいます。

そこで,事前通知が終わってから売買代金を支払えば良いという考え方もあり,実際にこのような方法で売買手続を進めることもありますが,Aさんとしては売買代金をもらっていないのに権利書以外の重要な書類(印鑑証明書など)を提供する必要がありますし,所有権移転時期の特約が入っている場合に実際の登記の日と登記の日がずれることになってしまいます。

この点,本人確認情報を提供すれば,権利書を提供した時とほぼ同様に進むことになりますので,実際には本人確認情報を提供することが多いかと思います。

したがって,事前通知で進めるのは,特に新たな利害関係を生むわけではない抵当権抹消登記だったり,トラブルが生じる可能性が低い親族間の贈与や遺贈などに限られると思います。 
 

3 事前通知の具体的な流れ

 
 

(1)登記申請時
 

登記申請時においては,権利書を提供しないこと以外には特に変わることはありません。強いて言えば,抵当権抹消登記のように本来であれば印鑑証明書が不要な申請でも印鑑証明書が必要になる程度です。
 

(2)郵便局からの通知
 

登記申請をしてから1週間から2週間程度で,住所地宛に郵便局から「本人限定受取郵便」のお知らせが届きます。


 

(3)受け取り
 

上記書面及び免許証等の本人確認書類を持って通知のあった郵便局に受け取りに行くか,郵便局に連絡して自宅に配達してもらい,下記の本人限定受取郵便を受け取ります。「本人限定」となっておりますので,たとえご家族でも代理で受け取ることはできませんのでご注意ください。


 

(4)記入
 

中には,登記申請の内容が記載されており,この内容に間違いが無いか確認してください。問題ないようであれば,回答欄のご署名いただき,ご実印でご捺印ください。


 

(5)法務局への返送
 

この事前通知に関する書類には期限があり,法務局が発送してから2週間以内に法務局に届く必要があります(書面に期限の記載があります。)。

したがいまして,法務局に直接持参されるようであれば大丈夫だと思いますが,法務局に郵送する場合は余裕をもってご返送ください。特に,平成の終わりから令和の始まりにかけて長期連休がございますので,返送期限にご注意ください。
 

(6)登記の完了
 

上記の書面が法務局に到着すると登記手続が再開され,数日後に完了となります。
 

以上,事前通知についてでした。

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2月 08 2019

相続登記の義務化(?)

本日(2月8日)に以下のようなニュースがありました。

「土地の相続登記を義務化 所有者不明土地問題で」
 

ざっくり要約すると,土地の所有者が亡くなった方の名義のままになっており,公共事業などに支障が出ているため,相続登記を義務化しようというものです。
 

今日はこの点について簡単ではありますがまとめてみたいと思います。 
 

権利の登記は権利

 

不動産を取得した場合の「所有権移転登記」や住宅ローンを完済した後の「抵当権抹消登記」など,権利に関する登記をするかどうかは当事者に委ねられています。つまり,登記をするかどうかは権利であって義務ではありませんので,不動産を購入しても登記しなくても問題ありませんし,住宅ローンを完済しても抹消登記をしなくても罰せられることはありません。

もっとも,登記をしないと後々トラブルになることが想定されますので,実際には登記をされる方が多いと思います。
 

この点,山林や農地など,比較的利用価値が低い不動産については相続が起こってもでも欲しがらない方が多く,登記をしないまま何十年も経過しているということが多々あります。それが積み重なり,上記のとおり公共事業などに支障が出てきているということになります。具体的には,新しく高速道路を造ることになった場合,当然ながら土地の所有者の印鑑が必要となりますが,亡くなった方に印鑑を押してもらうことはできませんので,相続人を探し出して,全員の方から印鑑をもらう必要があります。それができればまだ良い方で,実際には相続人もすでに亡くなっていたり,行方不明になっていたりと,現実的に印鑑をもらえない状況が多くなってきています。 
 

義務化してもまとまらないのでは

 

上記のとおり,権利の登記は権利であって登記をしなくても問題ありませんが,「表示の登記」と呼ばれるものはすでに現時点で義務となっています。
 

表示の登記というのは,土地であれば地積(面積)や地目など,建物であれば種類や構造,床面積などが記載されている部分で,物理的な現況を示す登記です。例えば,畑を宅地にしたのであれば地目を宅地に変更しなければなりませんし,建物を新築したのであれば新築した旨の登記をしなければなりません。
 

もし,表示の登記を1ヶ月以内にしない場合,過料という罰金なようなものを科せられることになっており,義務を裏付けるものとなっております。
 

ところが,世の中には登記がされていな建物は無数に存在していますし,地目が変わっても変更していない土地も無数にあります。にもかかわらず,過料が科されたという話は聞いたことがありません。あくまで雑談の域を出ませんが,法務局の偉い方の研修に参加したときに,その方ですら過料に科されたケースを聞いたことがないと仰っていましたので,恐らくこれまでに過料が科された人はいないのではないかと思います。
 

つまり,相続登記が義務化されたとしても,刑罰として懲役や罰金が科せられるとは考えにくく,表示の登記と同様に過料に留まると思われ,実際のところ相続登記が義務化されてもそれほど強制力はありませんので,これをもって完全に解決するというのは難しいと思います。
 

上記のとおり相続登記をしてない土地は比較的財産価値が低い土地が多いです。しかしながら,現在の法律ではどんな無価値な不動産でも放棄することは認められていません。先日も,とある司法書士がご自身の親御さんの案件で,国に対して土地の所有権を放棄する旨の訴訟をしましたが敗訴しました。
もし,土地の所有権を放棄することができる(国や地方公共団体が引き取る)ようになれば,かなりの数が解決できると思うんですが,どうなんでしょうかねぇ。

なお,改正されるとしても来年以降の話になりますので,今後もまた情報が入りましたら更新していきたいと思います。

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1月 09 2019

自筆証書遺言の方式の緩和

本記事の作成は平成31年1月9日ですが,週末の1月13日から遺言書について少しだけ変更と言いますか,緩和された方式が始まります。

その他の変更点も踏まえて,まとめておきたいと思います。
 

 
 

自筆証書遺言とは

 

よく使われる遺言の方式としては,(1)公正証書遺言(2)自筆証書遺言の2つがあります。
 

弁護士さんや私ども司法書士などの専門家が関与する場合,少しでも紛争が生じること及び遺言書が無効になるのを防ぐために公正証書遺言で行うことがほとんどですが,専門家が関与しない場合は自筆証書遺言で作成されているケースもあります。
 

自筆証書遺言とは,文字どおり「自筆」で書く遺言書でなければなりませんので,パソコンで作成したり,第三者が作成したものは無効になってしまいます。
 

この点,「遺言者の遺産のすべてを●●に相続させる。」というような簡単なものであれば自筆で書くこともそれほど大変ではないと思いますが,「A不動産は甲さんに,B不動産は乙さんに,C銀行D支店口座番号●●●●の預金は丙さんに・・・」というように財産が多かったりするとすべてを自筆で書くのは大変ですよね。
 

ということで,今回少しだけですが「自筆」の部分が緩和されることとなりました。 
 

自筆でなくても良くなったもの

 

上記の例でいうと,「A不動産」や「B不動産」,「C銀行の預金」など,財産に関する目録については自筆で無くても良いこととなりました(ただし,財産目録に署名捺印が必要です。)。
 

「自筆でない」というのは,下記のようなものでもすべてOKとなります。
 

(1)パソコンで作成してプリントアウトしたもの

(2)遺言者ではない第三者が書いたもの

(3)登記簿謄本や通帳などの財産が分かるもののコピー
 

したがって,遺言書を作成する場合には,「遺言者は,遺言者の長男である甲に財産目録1番の土地を相続させる。」のように記載すれば良いこととなります。

注意点としては,あくまで自筆でなくても良いのは財産目録だけですので,上記の文章は自筆で記載する必要があります。 
 

自筆証書遺言に関する新設の制度

 
 

上記の財産目録に関する改正は,最初に記載したとおり平成31年1月13日からとなりますが,平成32年(2020年)7月10日から施行される新しい制度があります。それが,法務局における遺言書の保管制度です。

公正証書遺言の場合,原本は公証役場に保管されることとなっておりますが,自筆証書遺言によって作成された遺言書の保管方法は定められておりません。したがって,遺言者ご自身が貸金庫等で保管しても良いですし,相続人の方に預けても良いですし,食器棚にしまっても良いです。
 

とすると,場合によっては遺言書が第三者に変造されてしまう可能性がありますし,紛失してしまうことも考えられます。
 

そこで,法務局に遺言書を預かってもらうことができる制度が始まりました。さらに凄いのは,法務局が遺言書を画像データとして保管してくれることとなり,相続人がその写しの交付することができることに加えて,自筆証書遺言の最大のネックだった検認手続が不要となります。
 

上記の財産目録の緩和に加えて法務局の保管制度が始まると,公正証書遺言ではなく自筆証書遺言で進めるケースも多いかと思います。
 

当事務所では,自筆証書遺言作成のサポート等も行っておりますので,お気軽にご相談いただければと思います。

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12月 27 2018

年末年始の業務について

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12月28日の18時をもって本年の業務は終了となります。今年1年ありがとうございました。

当事務所の年末年始は下記のような予定となっており,当該期間中にいただいたお問い合わせにつきましては,原則として1/4に回答させていただきます。 
 

平成29年12月28日18時まで 通常業務

 
 

平成29年12月28日18時から平成30年1月4日午前9時まで お休み

 
 

平成30年1月4日午前9時から 通常業務 
 

それでは皆様,良いお年をお迎えください<(_ _)>

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10月 12 2018

【毎年恒例】会社が知らないうちに無くなってしまうかもしれません

去年も同様の記事を書いておりますが,重要なことなので今年も記載しておきます。

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株式会社は12年以上,一般社団(財団)法人は5年以上,何も登記をせずに放置すると消えてしまう可能性があります。

 
 

株式会社の場合は,取締役等の役員の任期が最長で10年と定められており,かつ,役員変更等があったときから2週間以内に登記申請をしなければならないこととなっております。同様に,一般社団法人等については,任期は2年となっております。

とすると,少し余裕をみて株式会社であれば12年一般社団法人等であれば5年もの間,何も登記がされていないとなると会社として存続していない可能性が高くなるため,強制的に会社が解散されてしまうこととなっております。なお,あくまで株式会社及び一般社団法人等に限った話ですので,(特例)有限会社,合同会社,合名会社,合資会社等,株式会社や一般社団法人等以外の会社や法人に関してはまったく関係ありません。というのは,これらの会社は任期を定めなくても良いこととなっているため,会社が運営されていても20年以上,登記がされないことも十分にあり得るためです。 
 

いつ解散させられてしまうのか

 
 

この強制的な解散は,随時行っているものではなく,年に1回公告をしたうえで毎年行っております。この公告が本日(10月11日)であり,2ヶ月後に強制的に解散させられることになります。 
 

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対象となっている場合はどうすれば良いのか

 
 

もし上記の条件に当てはまる場合で,かつ会社を存続させたい場合は管轄の法務局に対して「まだ事業を廃止していない」旨の届出を出すか,何らかの登記申請をすれば会社がまだ存続していることが分かりますので勝手に解散させられることはありません。

なお,仮に解散させられたとしても,事後的に「会社継続」の登記を行うことで復活させることもできますが,その分の登記費用がかかってしまいますので,対象になっている場合は早急に手続を行った方が良いかと思います。

ちなみに,下記の法務省のリンクによれば,平成29年度は18146社が解散となったようです。そうなる前にお手続きをお願いいたします。

→ 平成30年度の休眠会社等の整理作業(みなし解散)について(法務省)

→ 休眠会社・休眠一般法人の整理作業の実施について(法務省)

→ 官報公告(すぐに見られなくなります)

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7月 31 2018

配偶者居住権の新設

相続法が大改正され,新しい制度や大きく改正された制度がいくつかあります。
 

今後何回かに分けて,改正された点についてまとめていきたいと思います。
 


 

いきなりですが,具体的な事例を挙げてみます。
 

被相続人(亡くなった方)→ Aさん(夫)
相続人 → B(後妻),C(前妻との子)
 

Aさんが亡くなったときには,預貯金等のめぼしい財産は一切なく,唯一残されたのがAさん名義の自宅(3000万円相当)でした。
Aさんが亡くなるまで,Bさんも一緒に生活しておりましたが,Cさんはすでに結婚して別で家族を築いていました。
Bさんは,自身の預貯金は500万円程度であり,これを元手に自分が亡くなるまでは自宅で生活していきたいと考えておりましたが,前妻の子であるCさんは自宅を相続することを譲らず,相続について話し合いで解決するのは難しい状況でした。

このようなケースを前提として,新しく新設された配偶者居住権についてまとめたいと思います。 
 

今までは

 

相続人は後妻であるBさんと前妻の子であるCさんの2名であるため,法定相続分としては2分の1ずつとなり,遺産が自宅のみということであれば,自宅に対する持分を各自2分の1ずつ相続することとなります。
預貯金など簡単に分けることができる財産で有れば単純に分割すれば良いのですが,不動産の場合は,その後の管理や処分の問題があるため,遺産分割協議を行ったうえで,相続人のどなたかに相続させることが多いかと思います。
 

今回のケースの場合,遺産分割が行われるまでの間に関しては,とりあえずはBさんは居住し続けることができます。というのは,共有者である以上,自宅を利用する権限があるからです。また,平成8年12月17日最高裁判決により,少なくとも遺産分割協議がまとまるまでの間に関しては,Cさんに使用料などを支払うことなく居住することができることとされています。
 

この点,相続人間の関係が良好であり,特に揉めていないようであれば何も問題はありません。
 

しかしながら,今回のケースのようにもめているということであれば,いずれ遺産分割調停などを起こされ,遺産分割を迫られることは容易に想定できます。
 
 

遺産分割協議にしても遺産分割調停にしても,このような状況になれば法定相続分をベースに話し合いを行うことになるかと思われ,下記の2つが考えられます。
 

(1)自宅を売却したうえで,BさんとCさんで1500万円ずつ分ける(換価分割)。

(2)BさんまたはCさんが自宅を相続し,相手方に1500万円を支払う(代償分割)。
 

Bさんとしては今後も自宅で生活していきたいと考えているということであれば,上記(2)で自宅を相続することになりますが,Cさんに対して1500万円を支払わなければなりませんがそのようなお金を用意することができませんので解決ができません。

Cさんが相続し,Bさんとの間で賃貸借契約を締結するということも考えられますが,毎月の賃料の支払いが必要となりますし,Bさんは契約解除による退去のリスクがあります。

BさんとCさんとの間で,Bさんが相続するが,Bさんが死亡した場合にはCさんに遺贈する内容の遺言書を書くことで合意するということも考えられますが,遺言書はいつでも書き換えることができますので,Cさんに大きなリスクがあります。 
 

配偶者居住権とは

 

配偶者居住権とは,「配偶者である相続人が,被相続人の遺産である建物を無償で使用及び収益することができる権利」です。

したがって,上記のケースにおいては,自宅はCさんが相続するものの,Bさんは一生無償で自宅で生活することができます
 

これにより,賃貸借契約と異なり,Bさんは契約の解除によって退去しなければならないというリスクを負わなくて済みますし,CさんとしてはBさんから遺贈を受けるのではなく,Aさんの自宅をすぐに相続することができますので,遺言書の書き換えのリスクを負うこともなくなります。 
 

配偶者居住権が成立するための条件

 

配偶者居住権が権利として成立するためには,以下の条件が必要となります。
 

(1)被相続人が亡くなった時点で,被相続人が所有する自宅に配偶者が居住していたこと。

→被相続人が死亡した時点で配偶者が自宅に居住していなければなりません。もし別居していたということであれば,自宅以外の生活の本拠が存在するということになるますので,配偶者居住権を認める必要がないからです。
 

(2)下記のいずれかにより配偶者居住権を取得すること

①被相続人が配偶者居住権を遺贈したとき

遺産分割協議により配偶者が配偶者居住権を取得することとされたとき(遺産分割調停,遺産分割審判を含む)

③被相続人と配偶者との死因贈与契約において,配偶者居住権を取得することとされたとき 
 

配偶者居住権の効果

 

配偶者居住権が認められた場合,以下の効果が生じます。

(1)被相続人の配偶者は,自己所有ではない自宅に無償で居住することができる。
→賃貸借契約と異なり,賃料の支払い義務はありません。ただし,下記のとおり必要費を負担しなければなりません。

(2)配偶者居住権を第三者に対抗するために,所有者に対して登記をするよう請求することができます。
→当事者の合意次第とはなりますが,一般的には配偶者側が登記費用を負担することになると思います。 
 

一方,下記の注意点もあります。
 

(1)配偶者は自宅を維持するための必要費を負担する義務を負います。

→自宅に居住し続ける以上は,それに伴う費用は負担するのが当然だからです。
 

(2)配偶者居住権を第三者に譲渡することはできません。

→ 配偶者のみに認められた権利であるためです。
 

ポイントとしては,配偶者居住権は登記が対抗要件となっていることです。賃貸借契約は「引渡し」が対抗要件,つまり居住している事実そのもので第三者に対抗することができますが,配偶者居住権は,登記がされていないと第三者に対抗することができます。
 

上記のケースにおいて,配偶者居住権の登記をしない間にCさんが第三者に自宅を売却してしまうと,当該第三者からBさんは退去を迫られることになってしまいます。

配偶者居住権を取得する場合は,配偶者居住権の登記もセットになるかと思いますので,お気軽にご相談いただければと思います。

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4月 02 2018

相続登記の免税について

条件を満たすと,相続登記の際に納める登録免許税が無料(免税)になることになりました。実際のところ該当する事案がそれほど多いようには思えませんが,それでも免税になるのは相続登記の推進に関しては良いことだと思います。 

この件については,以前まだ法案だった頃に記事を書いたのですが,少し内容が変わっておりますので再度まとめたいと思います。
 


 
 

今回免税になる相続登記は2つのケースがありますが,1つはほとんどの方に関係がなく,かつ,あまりメリットもないため割愛し,影響がありそうな方のみ記載いたします。
 

①相続の対象が土地であること。
 

登記が絡んでくる時点で,ほぼ土地か建物になる訳ですが,免税の可能性があるのは土地のみです。
 

②原因が相続または遺贈であること。

あくまで相続の際の免税措置であるため,名義変更の原因は相続または遺贈でなければなりません。ただし,遺贈に関しては相続人に対する遺贈に限定されますので,第三者に対する遺贈は免税されません
 

③所有権の登記名義人の相続人がすでに亡くなっていること(二次相続が生じていること)

すべての相続登記が無料になるわけではなく,相続登記をしないままに相続人も亡くなってしまった場合である必要があります。

例えば,土地の所有者として登記されているAさんが死亡し,その相続人がAさんお子どもであるBさんただ一人でしたが,Bさんもその後死亡しており,そのBさんの相続人C(孫)がいる場合ということになります。なお,分かりやすい事例として子や孫を登場させただけであり,中間の相続人が死亡していれば配偶者,甥や姪などにも適用されます。
 

④亡くなった相続人名義にすること

上記の例で言うと,Aさん名義の土地を亡Bさん名義に変える相続登記に関する登録免許税が免税されます。

したがって,いったんBさん名義に変えた後に,Cさんに変える場合には登録免許税はかかりますし,各種条件を満たしてAさんから直接Cさんに相続登記する場合には免税になりません
 

⑤決められた期間内に登記申請をすること

平成30年4月1日~平成33年3月31日までに登記申請をしなければなりません。

なお,この期間内に申請をすれば良いだけであって,所有者や相続人が亡くなった日は関係ありません。

以上から,①土地の,②相続または遺贈で,③所有者の相続人も亡くなっており,④その亡くなった相続人に名義を変える登記を,⑤一定期間内に申請する場合,に免税されることとなります。
 

なお,あくまで登記申請の際の登録免許税が免税されるだけであり,役所等で取得する戸籍謄本等の取得費用が無料になるものではありませんし,司法書士にご依頼された場合の手続に関する報酬が無料になるものでもありませんのでご注意ください。

以上については,法務省のサイトにも記載してありますので,こちらもご覧ください。

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