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1月 30 2018

破産物件の購入

当事務所は,従前から破産物件(破産者が所有している不動産)を取り扱うことが比較的多いのですが,特にここ数か月は多くの破産物件の手続を行ったため,破産物件についてまとめたいと思います。
 


 
 

破産の登記

 
とある個人の方(株式会社等の法人ではない自然人)が破産した場合,当該破産者は不動産を含めた財産の処分が自由にできなくなります破産法78条1項)。
 

このことを示すため,所有している不動産には,「平成○○年○○月○○日○○時 ○○地方裁判所破産手続開始決定」というように破産の登記がなされます。この登記が入ることで,この不動産を買いたい方はご本人ではなく破産管財人と連絡を取って交渉などを行うことになりますし,一方,破産者が勝手に不動産を売却することを防ぐことができます。ちなみに,会社等の法人が破産した場合は,法人の登記簿に破産の登記がされますので不動産の登記簿には破産の登記は入りません。 

 
 

不動産の処分権者

 
上記のとおり,破産者は所有している不動産を自由に売ることはできず,破産管財人が売却することになります。さらに,一定の財産に関しては破産管財人も自由に売却することが出来ず,裁判所の許可を得なければならないことになっており,不動産も許可が必要な財産のひとつとなっています(破産法78条2項1号)。
 

したがって,破産物件を購入するためには,破産管財人と交渉して売買の合意が得られたうえで,破産管財人が裁判所に不動産売却の許可を求め,その許可が出たときに初めて購入することができることとなります。なお,「破産管財人と交渉」と書いておりますが,実際には仲介の不動産業者が入っていることがほとんどですので,値段交渉などは不動産業者を通じて行うこととなり,この点は通常の不動産の購入と同様です。 
 

登記に必要な書類

 
登記的に,買主さんに必要な書類は特に変わりなく,ご本人確認のための免許証等の身分証明書及び住民票となります。
 

一方,売主さんについては,本来であれば所有者の方の印鑑証明書や権利証などが必要となりますが,所有者の方には処分権限が無いため,下記の書類となります。

・裁判所の売却許可決定書

・破産管財人の印鑑証明書兼資格証明書

・破産管財人の本人確認書類 
 

破産の登記や担保権の登記,差押え,仮差押えの登記などの処理

 
裁判所の許可があるといっても,自動的に登記がされるわけではなく,売買に基づく移転登記を当事者の申請によって行います。ただ,移転登記を行っても,破産の登記などは自動的に消えることはありません。ですので,不動産を購入し,登記が完了しても破産の登記等が残っているため,これらを抹消してもらう必要があります。以下,登記の種類ごとに抹消の仕方をまとめます。
 

・破産の登記

売却によって破産者の財産ではなくなりましたので,破産管財人が登記完了後の登記簿謄本を添付して裁判所に破産の登記を抹消してほしい旨の申立てを行います。その後,裁判所書記官が登記所に嘱託して破産の登記を抹消します。通常,1週間から2週間程度で完了します。
 

・抵当権や根抵当権などの担保権

通常の抵当権抹消登記と同様に,抵当権解除証書や登記済証などを添付して売買に基づく移転登記と同時に抵当権等の担保権抹消登記を申請することが多いです。特に破産物件だからといって手続が変わるものではなく,強いて言えば,登記権利者が所有者ではなく破産管財人になる程度です。

もっとも,任意売却は,抵当権の抹消を強制するものではないので,抵当権者が抵当権抹消登記に協力しないということも考えられます。その場合は,破産管財人が「担保権消滅許可の申立て」を行い,裁判所が認めれば,抵当権者の承諾が無くても抹消することが可能です(破産法186条)。この方法によると,抵当権抹消登記は裁判所書記官の嘱託によってなされます。
 

・仮差押,差押(強制執行)などの登記

破産ではない場合の任意売却と同様に,仮差押債権者または差押債権者が裁判所に取下書を提出し,裁判所書記官からの嘱託によって抹消されます。
 

しかし,上記の抵当権者等と同様に,任意の取下げには応じない債権者もいます。この場合,破産管財人が執行裁判所(仮差押命令や差押命令を発令した裁判所)に所有者の破産手続が開始した旨を上申することで,裁判所書記官から抹消登記の嘱託がなされます。というのは,破産手続が開始することで,基本的には仮差押等は効力を失うためです(破産法42条2項)。
 

先日当事務所で手続をさせていただいた件も,仮差押債権者が任意の取下げには応じないとのことでしたので破産管財人である弁護士さんに裁判所に上申書を提出していただき裁判所書記官からの嘱託によって抹消されました。
 

なお,抵当権などの担保権は「別除権」として,破産手続とは関係なく回収することができますので,差押の登記を裁判所に抹消してもらうことはできず,抵当権者と取下げのための交渉を行う必要があります。
 
 

このように,破産物件であることによって通常の手続と異なるところがありますが,「お金を払ったのに自分の物にならなかった!」というようなトラブルが起こることはまず考えられませんので,安心して破産物件をご購入いただき,ぜひ登記は当事務所へよろしくお願いいたします(笑)

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