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5月 09 2019

仮登記について

登記簿を見て,たまに仮登記が入っていることがあります。

当事務所で,数年前に仮登記を申請した件がやっと本登記できることになったので,今日は仮登記についてまとめてみたいと思います。
 

 
 

通常の登記(本登記)と仮登記

 

不動産を購入した場合,売主さんの名義から買主さんの名義に登記を変更します。これを所有権移転登記といい,登記をすることによって第三者に対する対抗力を持ち,裁判上でも所有者であると推定されます。これにより,売主が第三者に売却していたとしても,登記をしておけば自分が正当な所有者だと主張することができますし,裁判上でも反証がなければ所有者であると認定されます。

ただ,このようにすぐに登記ができれば良いのですが,中にはすぐに登記できないケース登記しないケースもあります。 

例えば,登記申請に必要な権利書等がないけど,とりあえず何らかの登記はしておきたいという場合や,条件付売買や売買予約などまだ売買契約が成立しておらずすぐには登記しないという場合もあります。このうち,前者については不動産登記法105条1号に規定されているため「2号仮登記」,後者が同条2号に規定されているため「2号仮登記」と呼んでいます。
もっとも,権利書が無いような場合には本人確認情報事前通知等によってすぐに登記申請をすることができますので現実的にはなかなか使われない仮登記であり,世の中にある仮登記の大部分が2号仮登記となります。 
 

仮登記のメリット

 

上記のとおり,仮登記には第三者への対抗力はありませんし,所有者であると推定されるわけでもありません(そもそも2号仮登記は所有権は取得していません。)。また,仮登記がされていても所有者は第三者に売却することもできますし,仮登記の存在を無視して当該第三者に登記(本登記)することもできます。 

では,仮登記を行うメリットは何でしょうか。 

これは,条件が成就していないので通常の登記(本登記)をすることはできないが,仮登記をしておいて,後日条件を満たしたときに本登記をすれば,仮登記後に現れた所有者に勝つことができることにあります。
具体的には,1番でAさんの登記が入っており,2番にBさんの条件付仮登記,3番にCさんの登記(AさんがCさんに売却した)があるとします。Bさんは現時点では所有権は得ていないのでCさんが利用することは何ら差し支えありません。
その後,Bさんが条件を満たし,Aさんと共同して2番にある仮登記の本登記をすることでCさんの登記は抹消され,Bさんの登記だけが残ることになり,名実ともにBさんは所有者になることができます。 

なお,このケースで仮登記の本登記を行う場合はCさんの承諾書が必要となり,実体としてもCさんには承諾義務があるのですが,Cさんが承諾してくれない場合はCさんを訴えて勝訴することで本登記をすることができます。 
 

2号仮登記が行われるケース

 

2号仮登記が申請されるケースはたくさんありますが,以下のようなケースが多いかと思います。
 

・死因贈与
自身が亡くなった場合に特定の人に不動産を承継させる場合,遺言が使われることが多いかと思いますが,「死因贈与」という形態で承継されることもあります。
この場合,不動産の所有者が亡くなることによっては初めて贈与の効力が生じることとなりますのですぐに登記をすることはできず,「所有者の死亡」という不確定期限付の仮登記を申請することができます(相続や遺贈については仮登記を申請することができません)。
 

・農地の売買
農地を売買する場合,農地法の許可が必要になります。この許可を得るのに時間がかかることが多々ありますので,「農地法の許可」を条件とした条件付仮登記を申請することができます。
 

・担保としての仮登記
金銭の貸し借りで,貸金が返済されない場合には貸主に不動産の所有権が移転するという「代物弁済予約」を原因として仮登記の申請を行うことがあります。もっとも,弱みに付け込んで,少ない金銭で高価な不動産を取得する事例が多く発生したことから,「仮登記担保法」によって規制されています。
 

・つなぎ融資
更地に建物を建築する場合,契約金,着手金,中間金,最終金など,建築状況に応じてそれなりの金額を建築会社に支払わなければならないケースがあります。
多くの方が住宅ローンを組んで支払うことが多いかと思いますが,住宅ローンによっては建物が完成しなければ融資できないというケースが多く,上記の中間金などは自己資金で賄う必要があります。それが用意できれば何も問題ないのですが,そのような方ばかりではないため一時的に融資してくれる会社があります。その融資のことを「つなぎ融資
」といい,最終的に住宅ローンが銀行から振り込まれた場合は,そのお金でつなぎ融資分を返済し,以降は毎月住宅ローンを返済していくことになります。
この場合において,つなぎ融資の会社も多額の融資を行いますので,土地を担保に取ることがあるのですが,通常の抵当権を設定すると融資額の0.4%の登録免許税がかかってしまいます。そこで,仮登記の出番となります。
 

というのは,抵当権の仮登記の場合は融資額に関係なく一律1000円の登録免許税で良いことになっているからです。
このように,すぐに抹消する予定の抵当権のために何万円も税金を支払って登記をするのはもったいないので仮登記で済ませようということです。
 

・自社従業員への貸付
最近はあまり見かけませんが,サラリーマンの方がご自身が勤める会社から融資を受けるような場合も,上記のように通常の抵当権ではなく仮登記であるケースがあります。 
 

買う予定の不動産に仮登記が入っていたら

 

上記のとおり仮登記の本登記がされてしまうと登記としては負けてしまい,最悪の場合は所有権を失う可能性があります。
したがいまして,ご自身への所有権移転登記に際して仮登記が抹消されるかどうかを確認する必要があります。
もっとも,仮登記どころか抵当権が設定されたままの不動産が売りに出され,売買代金でローンを返済して抵当権を抹消するというケースは普通にあります。
したがって,仮登記が入っていたとしても,抹消されることがほとんどですので,それほど構える必要はないかと思います。

以上,仮登記のお話でした。

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