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6月 26 2019

令和元年7月1日からの相続法改正の施行について(その他)

前々回及び前回に引き続き,令和元年に改正される相続分野について記載いたします。
 

今回は,遺産分割,遺言及び遺留分等以外のその他部分に関するものについてです。
なお,配偶者居住権及び法務局での自筆証書遺言の保管については,令和元年7月1日施行ではないため今回は記載しておりません。
 


 

1 相続人以外の者の貢献を考慮するための方策

 

被相続人に対して療養看護をしたりして,被相続人の財産の維持や増加に寄与した相続人は他の相続人と比べて多く相続できる「寄与分」という規定があります(民法904条の2)。しかしながら,この規定はあくまで相続人が「被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与」をした場合に認められる規定であり,相続人の配偶者(例えば長男の妻)や孫が寄与した場合でも相続人ではないため寄与分は認められません
 

もちろん,そのような方でも遺贈を受けることができますので,被相続人が遺言書を書いてくれれば財産を取得することができますが,多くの方はそんなことを生前の被相続人に依頼することはできませんよね。
 

ということで,今回の改正によって,遺言書がなくても相続人以外の方についても財産(金銭)を受け取れる制度ができました。
 

(1)請求できる人

①被相続人の親族であること。

被相続人とは何ら関係ない人が療養看護をしている場合は,介護サービスなど何らかの金銭の対価が伴っていると考えられるからです。

②療養看護が無償で行われていること。

対価を得て療養看護を行っているのであれば,再度請求を認める必要はないためです。
 

(2)請求方法

相続人に対して,金銭の支払いを請求することができます。この点,遺産分割協議に参加できるものではなく,さらに不動産などの分配ではなく金銭の支払いを求めることができるにすぎません。また,相続人が複数いる場合は,特定の相続人でも良いですし,全員に請求しても構いませんが,全額を特定の相続人に請求することはできず,その相続人の法定相続分が上限となります。
 

(3)金額の決定方法

基本的には当事者で話し合いをして決めていただくことになりますが,まとまらない場合は家庭裁判所に「協議に代わる処分」を請求して裁判所に具体的な金額を決めてもらうことになります。
 

(4)除斥期間

請求する人が被相続人が亡くなったことを知ってから6か月または被相続人が亡くなったときから1年以内に請求しなければなりません。 
 

2 相続の効力等に関する見直し

 

相続全般について,いくつか効力や権利を保護するための方法に変更があります。
 

(1)相続登記が対抗要件に

従前は,遺言書にて「長男に〇〇の土地を相続させる」としていた場合,長男は相続登記をしていなくても自分の権利を第三者に対抗することができました

今回の改正により,このような遺言書があったとしても,長男は相続登記をしなければ自分の法定相続分を超える部分については第三者に対抗することができなくなります

この点,遺言ではなく遺産分割の場合は従前から法定相続分を超える持分については登記をしなければならないとされていましたので,むしろ整合性が取れる内容になったと思います。また,あくまで法定相続分を超える部分についてのみ対抗できないだけなので,自分の法定相続分はやはり登記なくして対抗できますし,そもそも相続人が1名しかいないのであれば登記なくして所有権全部について対抗できることになります。

ただ,日常生活にどれほど影響があるかと言われると,大多数の方にはほとんど影響はないと思います。
 

(2)債務の承継について
相続が生じると,不動産や預貯金のような財産(積極財産)だけではなく,借金などの負債(消極財産)も相続することとなります。

積極財産は遺言によって誰が相続するかを被相続人が決めておくことができますが,消極財産は債権者がいる話ですので勝手に被相続人が誰が相続するかを決めることはできません。

この点,改正前も判例によって債権者の承諾があれば,消極財産についてもどのように相続するか決めることができるとされておりましたが,改正によって明文化されました。
 
 
 

このほかにも細かい点はございます(遺言執行者がいる場合の相続人の行為の効力等)が,一般的に影響があるのはこれまでに記載してきたものではないかと思います。

特に,預貯金の払い戻しは大多数の方に影響がある話ですし,遺言書を作成されている方だと遺留分侵害額請求権は大きな改正になるかと思います。

また,まだ施行されていませんが,配偶者居住権や法務局での自筆証書遺言の保管制度も大きな改正となります。

今後も,続報が入りましたら随時更新してまいります。

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