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11月 19 2020

売買契約書について

当事務所では、知人間や親族間での売買など、不動産業者を通さずに直接売買する場合の登記手続に関与させていただくことがあります。 

その際、登記手続に関する書類を当方で作成することはもちろんですが、登記手続には直接必要とはならないものの、売買契約書の作成も合わせて行うことが多く、当事務所でも今週だけで2件の不動産業者を通さない個人間の売買手続を行っています。
 

売買契約書の中には、定型で決まってほぼ変わることの無い条項もあれば、契約によって大きく変わる部分もありますので、今回はこの点についてまとめたいと思います。
 

 
 

1 売買契約書

 

法律上、不動産に限らず、売買契約を行う際には特に契約書等は必要ありません。例えば、コンビニで飲み物を購入する際に契約書など作成しませんよね。

ところが、自動車や不動産など比較的高価なものを購入される際は、ほとんどのケースで契約書を作成すると思います。その理由は、後でトラブルになったときに必要となるからです。
 

上記のとおり、コンビニで飲み物を買って、もしその飲み物が不良品だった場合は、恐らくコンビニに言えば対応してくれると思いますし、仮に対応してくれなかったとしても100円~200円程度の話ですので、それほど大事にはなりません。

しかし、自動車や不動産などの場合はトラブルになった場合は、対応するにも修理費や工事費など多額の費用がかかることがありますし、泣き寝入りするにもかなりの損失になってしまいます。

なので、そういったトラブルが起きたときのために、どのように対応するのかが契約書に書かれています。
 

もっとも、契約書が無くても民法等の法律によって当然に適用されるものもありますが、逆に契約によって民法の適用を排除することもできますので、そういう意味でも契約書を作成する意義があります。
 

また、不動産の場合は税金の関係もありますので、売買代金を税務署等の官公署に説明する証拠としても重要になり、まず間違いなく契約書は作成することになります。 
 

2 売買契約書で絶対必要な条項

 

不動産の売買契約書を作成するに当たって、どのような契約書にも必ず入っており、むしろ入っていないと契約書を作成した意味がないレベルで必ず必要な条項は以下のとおりです。
 

①当事者の氏名及び住所

→ 契約の当事者が誰であるかが分からないと、契約の内容を誰が守れば良いのか分かりません。
 

②売買の対象物

→ どの不動産を購入したのかを明確にする必要があります。
 

③売買価格

→ 売買価格が0円だと贈与になってしまいますし、税金の観点からも売買代金は必須です。
 

④日付

→ その日から契約の内容をお互いに守る必要があるからです。 
 

3 多くのケースで入っており、契約ごとにあまり内容が変わらない条項

 

定型の契約書等には必ず入っており、契約書ごとにあまり無いように差がない条項です。大きな理由がない限り、特に触れる必要はないと思います。
 

①引き渡し義務と登記手続

②所有権の移転時期

③負担消除

④契約費用・印紙税の負担

⑤危険負担

⑥債務不履行解除

⑦手付解除

⑧反社会的勢力の排除

⑨諸規約の承継

⑩管轄裁判所

⑪協議 
 

4 契約の内容によって大きく変わる条項

 

個々の契約によってまったく内容が異なる条項となります。この部分は、変更可能であることがほとんどですので、契約の条件として提示することもあると思います。
 

①実測売買または公簿売買
 

実測売買というのは、売買の前提として測量を行い、その測量結果によって売買価格を決定または精算するというものです。

一般的には、まずは公簿(登記簿)に記載されている地積(面積)や床面積を基に売買価格を決定したうえで、その後の測量によって増減があった場合は売買価格も増減するというものであり、売主さん買主さん双方にとって公平だと思います。ただ、測量するためには数十万円の費用がかかりますので、必ず行うという訳ではありません。

公簿売買というのは、登記簿に記載されている地積等のまま売買することであり、基本的には売買に際して測量は行いません。また、仮に測量の結果、登記簿の地積等と異なったとしても精算を行いません。売買価格や坪単価が低い場合は公簿売買が多い傾向があります。
 

したがって、より正確に不公平なく売買をしたいということであれば実測売買ということになりますし、あまり費用を掛けたくないということであれば公簿売買ということになります。

なお、実測売買の場合は売主さんが測量費用を負担することが多いですが、買主さんの希望で測量を行う場合は買主さんが負担することもあります。
 

②公租公課の負担・精算及び計算期間(起算日)
 

公租公課は、固定資産税及び都市計画税がほとんどであり、売買代金を決済する前日までを売主さんが負担し、決済日以降が買主さんの負担とすることが多いです。

ただし、法律上は毎年1月1日付の所有者に納税義務があるのであり、買主さんには納税義務はなく、精算することが義務付けられている訳でもありません。したがって、契約内において精算しないとすることも可能です。比較的価格が低い不動産の場合は年間の固定資産税が数千円という場合もありますし、親族間や知人間という関係性がある場合は精算しないこともあります。
 

また、仮に精算をすることとなった場合、年間の固定資産税等の起算日をいつにするか揉める場合があり、これは法律によって定められているのではなく地域の慣習によって分かれます。

愛知県や関西地方では4月1日から翌年3月31日までを計算期間とする傾向がありますが、関東地方や北海道などでは1月1日から12月31日までとする傾向があるもののどちらが正しいというものでもありませんので、この点は各契約によって定めることとなります。

なお、4月1日からと1月1日からとを比べた場合、前者の方が売主さんの負担が少なく(買主さんの負担が多く)なり、後者の方が売主さんの負担が多く(買主さんの負担が少なく)なります。

③特別な解除権
 

不動産の売買契約においては手付解除、債務不履行解除、危険負担による解除、反社に該当することによる解除が定型で定められていると思いますが、それ以外にも個々の契約で特別な解除を認める特約を定めることがあります。

よくあるのが「ローン特約」であり、住宅ローンが組めなかった場合には、契約を違約金等無しで白紙解除できます。もっとも、個人間の売買だと住宅ローンを組めないことが多いため、不動産業者が仲介しない場合はあまり見かけることはありません。

それ以外にも、「測量した結果〇〇㎡以下だった場合は白紙解除」、「土地の占有者が〇〇までに立ち退かなかったら白紙解除」、「〇月〇日までに転勤の辞令が出たら白紙解除」など、自由に定めることができます。もっとも、あくまで当事者が合意すればの話であるため、一方が認めない場合は特約とすることはできません。
 

④契約不適合責任
 

民法改正により今年の4月から新しく定められた責任ですが、従前も「瑕疵担保責任」として似たような条項が定められていました。

端的に言うと、購入した不動産に何らかの不具合があったときに、売主さんが代金の減額、修繕の負担をしたり、最悪の場合は契約自体を解除することができるというものです。

これは売主さんの負担が大きい責任であり、特約が無ければ最大で10年間も責任を負い続けることになるため、責任期間を短縮(1か月~1年程度)することが多く、さらには契約不適合責任自体を負わないとすることもあります。実際に、私が作成した契約書では、ほとんどのケースで契約不適合責任は負わないとしております。
 

ただし、これには例外があり、売主が不動産業者である場合は、最低でも引き渡しから2年間は契約不適合責任を負わなければならないとされています(宅建業法40条)。
 
 

親族間・知人間等の個人間での売買をされる際は、登記手続だけでなく、上記のような契約書についても当方で作成いたしますので、お考えの際はお問い合わせいただければと思います。
なお、個人間売買に要する費用についてはこちらをご覧ください。

→ 個人間売買について

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