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今日，裁判所へ向かう車の中でラジオを聴いていたら，某マンション業者のコーナーというかＣＭがありました。

そのＣＭで言っていたのが，　　

「2ＬＤＫのマンションで名古屋中心地に賃貸で借りると家賃が10万円くらいかかります。でも，当社のマンションであれば5万円台の住宅ローンの支払いで済みます。毎月10万円を払っても自分のものにならないマンションと，毎月5万円台を支払って自分のものになるマンション。どちらが良いのかわかりますよね？」　　

的な感じのＣＭでした。

ほんといつも思うんですが，何でこんなＣＭが許されているのがさっぱりわかりません。

賃貸の方は別にいいんです。8万円で借りられるところもあれば12万円かかるところもあるでしょうし，これは借りるマンションのレベルによって家賃も変わるので何とも言えません。

しかし，住宅ローンの支払いの方は明らかにおかしいと思います。　

①毎月5万円台の支払いにするためにはボーナス返済が必要です

調べたところ，このＣＭのマンションの最低価格は約2400万円でした。毎月の返済額を少なくするためには返済期間を長くすることになるため，2400万円を35年で計算すると0.3％未満の金利でなければ5万円台の支払いにはなりません（0.28％だと毎月の支払いは59995円）。私の知る限り，1年固定で0.8％程度が最近の金利相場の最低ラインですので，その半分以下である0.3％なんていう金利は日本中どこを探しても絶対無いと断言できます。ということは，約2400万円のうち一部はボーナス返済分だと思われますので，ボーナスが無い人は絶対に毎月5万円台の返済になんかなりません。したがって，ボーナスという不安定な収入を前提としていることがわかります。　　

②住宅ローンの支払い以外の費用が計上されていない

賃貸マンションを借りた場合，電球等の消耗品は別ですが，キッチン，お風呂，トイレ，玄関のドアなど設備等の故障があった場合や外壁の塗り替え防水処理等，基本的にはすべて大家さんが負担してくれます。また，自分のものではありませんので，当然固定資産税なんかもかかりません。

一方，分譲マンションの場合，住宅ローンの支払いに加えて，毎月の管理費及び修繕積立金が必ずかかります。これは各マンションによって異なるため何ともわかりませんが，一般的には安くても2万円程度，高いと5～6万円程度かかることもあります。さらに，キッチン等の設備が故障した場合も当然自己負担ですし，毎年固定資産税の支払いもあります。これを毎月に馴らせば最低でも3～4万円，高ければ7～8万円程度になります。　

以上から，「毎月5万円台を支払って自分のものになるマンション」という表現はウソとは言いませんが，不正確極まりないものだと思います。

もちろん，実際に購入される際にはしっかり説明がされるものだと思いますが，不動産の購入は一度買ってしまうと簡単に後戻りはできませんので，慎重のうえに慎重を重ねて購入された方が良いと思います。　

と，言うようなことを私の知人には懇々と説明しているんですが，それでもトラブルになっている知人が少なくないんですよねぇ・・・。　

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