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3月 30 2017

平成29年4月1日からの各種減税措置

去る3月27日に参院本会議にて平成29年度税制改正関連法案が可決成立いたしました。これにより,新たな減税措置が講じられることになったり,平成29年3月31日をもって期限切れになる各種減税措置について延長されることになりました。
 

上記のリンク先を辿っていくとどのような内容になるのかはわかるのですが,たどり着くのが大変なので,一般的に関係がありそうなものを以下にまとめておきます(日本酒造組合の特例などは省略しております。)。
 

 

(1)租税特別措置法72条関係(延長)

 

土地売買で取得する場合,本来は土地の評価額の2%の登録免許税を納めなければなりませんが,現在は1.5%に軽減されております。これが平成31年3月31日まで延長されました。
 

土地のみ関するものであり,かつ売買に限られます。したがって,建物については,下記(2)に該当しなければ減税措置はなく,取得原因が売買以外(贈与,相続など)の場合には減税されません。 
 

(2)租税特別措置法72条の2,73条,75条関係(延長)

 

建物新築した場合,本来は建物の評価額の0.4%の登録免許税を納めなければなりませんが,現在は0.15%(長期優良だと0.1%)に軽減されております。

また,建物売買で取得した場合,本来は建物の評価額の2%の登録免許税を納めなければなりませんが,0.3%(長期優良だと0.2%または0.1%)に軽減されております。

そして,建物の建築や売買での取得に際して住宅ローンを組む場合,本来は融資額の0.4%の登録免許税を納めなければなりませんが,0.1%に軽減されております。
 

以上について,平成32年3月31日まで延長されました。
こちらは平成32年までの延長です。 
 

(3)災害に関する税制上の措置(新設)

 

被災者生活再建支援法が摘要される自然災害の被災者等が当該自然災害で滅失した建物に代わるものとして新築等をした場合の保存登記や土地の取得に関する移転登記等,さらに新築等のための住宅ローンに関する抵当権設定登記について,当該自然災害が発生した日から5年間はすべて登録免許税を免税とする。 
 

この免税措置は平成28年4月1日以降に起こった自然災害に適用されますので熊本地震についても適用があります。また,あくまで平成29年4月1日以降に登記をする場合に免税されることとなっておりますが,平成28年4月1日から平成29年3月31日までに登記したものについては納めた登録免許税が還付されることとなっております(ただし,別途還付に関する申請が必要です。)。
 

なお,東日本大震災はこの免税措置には該当しませんが,そもそも東日本大震災に関しては,別途免税となる法律(震災特例法)がありますので,こちらをご覧ください(平成33年3月31日まで)。
東日本大震災で被災した建物・船舶・航空機を再取得した場合の登録免許税の免除特例について(PDF)

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3月 01 2017

登録免許税の減税について

こちらのページで簡単に紹介させていただいているとおり,一定の条件を満たすと登記の際の登録免許税が大幅に減税されます。

→ 減税のための条件

ただ,実際にはここで紹介させていただいている条件以外にも細かな条件があったりしますので,ここでまとめておきたいと思います。
 

 
 

どのような減税措置なのか

 
住宅用の家屋を取得を促進するため,一定の条件を満たした場合に登記の際に以下のとおり減税されます。
 

①建物保存登記

建物を新築した場合,本来であれば登録免許税は建物の評価額の0.4%となっておりますが,一般的な住宅の場合は0.15%に,長期優良住宅の場合は0.1%に減税されます。
 

②所有権移転登記

いわゆる建て売りの物件だったり中古の戸建て住宅を購入する場合,本来であれば登録免許税は評価額の2%となっておりますが,一般の住宅であれば0.3%に,長期有料住宅であれば0.1%に減税されます。本来の税率の約1/7~1/20ですので,かなり大きな減税になると思います。
 

③抵当権設定登記

住宅を購入される方の多くが住宅ローンを組まれると思いますが,その際の抵当権設定登記について,本来であれば登録免許税は融資額の0.4%のところ0.1%に減税されます。 
 

減税のための一般的な条件

 
減税のための条件のページより細かく条件を記載いたします。
 

①戸建ての家またはマンションを購入する場合であること

つまり,新築の家を建てるために土地を購入した場合は残念ですが土地の購入に関する所有権移転登記や抵当権設定登記に関しては減税されません

また,戸建ての一軒家(新築建売や中古物件問わず)を購入された場合やマンションを購入された場合でも,土地(敷地権)の所有権移転登記部分については減税されません。ただし,抵当権設定登記の登録免許税に関しては土地と建物の両方を購入するためのローンであっても全額減税されます。

さらに,取得の原因は「購入」に限られておりますので,「売買」または「競落(不動産競売で落札)」のみとなります。したがって,相続,遺贈,贈与,財産分与,共有物分割などの原因の場合は減税されません。
 

②購入される方がその建物に住むこと

そもそもこの減税措置は住宅用の家屋を購入する場合に減税されるものであるため,いわゆる別荘だったり賃貸用の投資物件を購入された場合には減税されません。

したがって,購入された方がその物件にお住まいになる必要があります。つまり,住民票を当該物件の住所に移す必要があります。なお,事後的に転勤や買い替えなどでその物件の住所から移転したとしても,減税分を納め直す必要はありません。また,住む予定ではあるものの何らかの事情で登記の時に住民票が移せない場合にはその理由を記載した申立書を提出することで認められる場合があります。
 

③建物の床面積が50㎡以上であること

あまりにも小さいワンルームのようなマンションの場合は減税されませんが,ほとんどの戸建てやマンションはこの条件は満たしていると思います。
 

④購入する建物が建築してから所定の年数以内であること

基本的には,新築されてから20年以内の建物しか減税されないものの,下記構造の建物に限り25年以内であれば減税されます。

※石造・れんが造・コンクリートブロック造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造

マンションの場合は鉄筋コンクリート造または鉄骨鉄筋コンクリート造であることがほとんどであるため,マンションについてはほぼ25年であることが多いのですが,戸建ての場合だと木造や軽量鉄骨造の場合が多いため20年であるケースが多くなります。

なお,この日付は建築年月日の日付で判断するため,建築日からちょうど20年であれば減税されるものの1日でも超過してしまうと減税されなくなってしまいます。
 

⑤併用住宅の場合は床面積の90%超が居宅であること

条文では,「専ら個人の住宅に供する建物」と規定されており,この「専ら」が90%ということになります。

したがって,事務所兼自宅を建築された場合に,事務所部分が10%未満であれば減税されることとなります。

なお,減税されるのは居宅部分ではなく事務所部分も含めたすべてについて減税されますが,居宅部分が90%以下の場合は,居宅部分についてもすべて減税されないということになります。
 
 
ここからは,手続的な条件です。

⑥住宅用の家屋であることの証明書を役所から取得すること

名古屋市であれば市税事務所,他の地方自治体であれば役所の税務課で取得することができます。ほとんどの自治体で手数料は1300円となっております。
 

⑥1年以内に登記すること

建物を新築して,または建物を購入して1年以内に登記しなければ減税されません。 
 

特殊なケースあれこれ

 
①共有の場合

夫婦や親子など親族と共同で購入することがあるかと思います。この場合,購入される方全員がその物件にお住まいになるようであれば何も問題ありませんが,共有者の一部が当該物件に住まないケースもあります。その場合は,住む方の共有持分に限り減税されることになります。したがって,子どもの持分が2/3,親の持分が1/3で子だけが住むという場合は,2/3に限り減税されることとなります。
 

②共同住宅の場合

アパートを購入し,そのうちの一部屋に住むという場合は,「専ら個人の住宅に供する建物」ではないため減税されません。
 

③建築から20年または25年を超過している場合

基本的には減税されませんが,建築士さんなどが発行する「耐震基準適合証明書」があれば,期間を超過していても減税されます
 

④いわゆる借り換えの場合

マイナス金利の影響などで,住宅ローンの借り換えをされるケースがあるかと思いますが,この場合は,「新築または取得するための資金の貸付」ではないため,減税はされません。
 

⑤貸主が金融機関以外の場合

一般的には住宅ローンを組む際は銀行や信用金庫などの金融機関から借り入れると思いますが,特に貸主に関する制限はありませんので,例えば親から購入資金を借り,親名義で抵当権を設定する場合でも減税されます。
 

⑥根抵当権の場合

上記のとおり,「新築または取得するための資金の貸付」に限定されているところ,根抵当権だと債権の内容が特定できないため減税されません
 
 

このほかにも様々な細かい条件がありますが,多くの場合は上記内容で解決できると思います。

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2月 27 2017

贈与と遺贈

身寄りのない方が相続人とはならない親族に不動産を譲りたい場合に贈与と遺贈のどちらが良いかご相談をお受けしたため,備忘録の意味も込めて残しておきたいと思います。

 
 

贈与の場合

 

贈与とは,財産を譲る方ともらう方との契約によるもので,基本的には契約のときに効力が生じることとなります。したがって,後になって気が変わっても返してもらうということは原則としてできません。
ただし,効力発生日は必ずしも契約時に限定されているわけではなく,贈与の効力発生に条件を付けたり期限を定めたり,場合によっては一定の債務を負わせることもできます(負担付贈与)。
 

①登録免許税
登記を行う際に,法務局に対して登録免許税という税金を納めなければなりません。
贈与の場合,土地か建物かに関係なく,評価額に対して2%となります。したがって,例えば土地1000万円,建物500万円という評価額の不動産があった場合,名義を変えるために係る登録免許税は30万円ということになります。
 

②不動産取得税
不動産を取得した場合,最初に不動産取得税という税金が課され,基本的には評価額の4%となります。
しかし,様々な減税措置があるため,実際にはもう少し低くなります。
 

まず,住宅の場合は4%ではなく3%に減税されます(平成30年3月末まで)。
さらに,土地については評価額が1/2にされることなっています(平成30年3月末まで)。
さらにさらに,建物については新築の場合だと1200万円,中古の建物でも新築年によって100万円~1200万円が評価額から控除されます。
さらにさらにさらに,土地に対しては税額に対しての控除もあったりするため,不動産取得税がかからないケースもたくさんあります。
 

③贈与税
建物については評価額そのままの金額,土地については評価額ではなく路線価で土地の価格を算出し,金額に応じて贈与税を納めなければなりません。
仮に,土地の価格(路線価)が1200万円だとすると,建物の500万円を加えた1700万円から基礎控除の110万円を差し引いた1590万円に対する贈与税を支払わなければなりません。
国税庁のサイト( https://www.nta.go.jp/taxanswer/zoyo/4408.htm )によると,545万円の贈与税がかかることとなります。 
 
 

遺贈の場合

 

遺贈とは,遺言で財産を譲るもので,財産をお持ちの方が亡くなったときに初めて効力が生じることになります。したがって,贈与と異なり,遺言を書いた後に気が変わって取り消すということも可能です。
 

①登録免許税
相続人に対する遺贈であれば0.4%となりますが,相続人以外の方に対する遺贈は2%となりますので,この点は贈与の場合と変わらないことになります。
 

②不動産取得税
包括遺贈か特定遺贈かによって変わり,包括遺贈の場合は非課税であり,特定遺贈の場合には原則として課税されます。ただし,上記のとおり,不動産取得税は減税措置がたくさんありますので,まったくかからないというケースもあるかと思います。
※包括遺贈とは,割合によって財産を譲渡するもの(例えば,「私の財産の1/2をAさんに遺贈する。」)であり,特定遺贈は特定の財産のみを譲渡するもの(例えば,「私の財産のうち○○市○○町○○番地の土地をAさんに遺贈する」)であり,包括遺贈については,相続人と同一の権利義務を有するものとされていますので,場合によっては債務も承継することもあります(民法990条)。
 

③相続税
遺贈の場合は,贈与税ではなく相続税が課税されることになります。贈与税と相続税では,基礎控除の額が110万円と3000万円という大きな差があり,しかも税率の基準も大きく異なります。具体的な金額は,譲り受ける財産の金額によって変わりますが,遺贈を受ける財産が上記の土地と建物しかなかった場合,基礎控除の3000万円以下ですので,相続税はまったくかからないということになります。 
 
 

贈与税の特例措置

 

上記の前提だと贈与税はかかってしまいますが,贈与をする方と譲渡を受ける方の関係によっては贈与税が事実上かからないケースもあります。

①夫婦間での贈与
以下の条件を満たすと最大で2000万円(暦年の110万円を含めると2110万円)が非課税となります。
・夫婦間の贈与であること
・居住用不動産(または居住用不動産取得のための金銭)の贈与であること
・贈与を受けた翌年3月15日までにその不動産に居住し,その後も居住し続ける予定であること。

②直系尊属からの贈与
以下の条件を満たすと省エネ住宅であれば1200万円,それ以外の住宅だと700万円の贈与が非課税となります。
・居住用の不動産の新築,増築等の費用に充てるための資金の贈与であること
・自己の父母や祖父母など直系尊属からの贈与であること
・贈与を受ける方が,贈与を受ける年の1月1日時点で20歳以上であること
・贈与を受ける方の所得が2000万円以下であること
・住宅の取得が親族所有のものではないこと(または工事業者が親族でないこと)
・贈与を受けたときに日本国内に在住していること
・贈与を受けた翌年3月15日までにその不動産に居住し,その後も居住し続ける予定であること。

③相続時精算課税制度を利用する場合
以下の条件を満たすと,贈与税ではなく相続時に相続税で精算することとなり,場合によっては非課税となります。
・贈与をする年の1月1日時点において,贈与する方が60歳以上,受ける方が20歳以上であり,受ける方が贈与する方の推定相続人または孫であること
・2500万円までの贈与であること(超過する場合は超過分に20%の税金がかかります。また暦年贈与の110万円も加算する必要があります。)

 

まとめ

 

したがって,登録免許税や不動産取得税についてはあまり差は無いのですが,贈与税(相続税)の部分で大きな差があり,単純に税金の多寡だけで考えると,遺贈の方がかなりお得ということになります。
もっとも,上記のとおり,贈与と遺贈では効力が生じる時点に差がありますし,遺贈の場合で他に相続人がいる場合は遺留分なども考慮する必要があることから,税金以外の部分も十分考慮してお決めいただいた方が良いかと思います。

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1月 19 2017

愛知県司法書士会主催の相談会のお知らせ

当事務所のある長久手市において,愛知県司法書士会主催の市民公開講座及び相続相談会が下記のとおり開催されます。

 

場所 長久手市福祉の家(長久手市前熊下田171番地・地図
日時 平成29年2月4日(土)10時~15時 

 

なお,下記のチラシには市民公開講座の時間が「午前10時から午後12時」となっておりますが,正確には「午前10時から午前12時(午後0時)」であり,相談会も「午前12時(午後0時)から午後3時」です。14時間も公演したら倒れてしまいます(笑)

お時間のある方はぜひお立ち寄りください<(_ _)>

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1月 18 2017

「敷地権」とは?

マンションに関する登記費用の見積書を作成する際に,登記事項証明書の実費の部分については敷地権化の有無によって費用が変わるためこの点について説明させていただくのですが,そもそも「敷地権」という言葉の意味が良くわからない方がほとんどだと思いますのでまとめてみたいと思います。
 

 
 

マンションの部屋の所有権

 

分譲マンションなど大きな一棟の建物の各部屋ごとに所有権が分かれている建物のことを法律上は,「区分建物」といい,その区分建物の各部屋のことを「専有部分」,専有部分の所有権のことを「区分所有権」といいます。これは,あくまで分譲マンションであり,賃貸アパートなど一棟全体を大家さんが所有している場合は,建物一棟全体に所有権が1つであるため区分建物ではありませんが,二世帯住宅の場合に1階が父親所有で,2階が子ども所有という場合には区分建物ということになります。 
 

土地の利用権も必要

 

建物は空中に浮いているなんてことはありませんので,どこかの土地の上に建っています。ということは,当然ながら建物を建築するためには土地を使用できる権利がなければなりません。一番メジャーなのは土地の所有権ということになりますが,地上権や賃借権ということもありますし,親族の土地に建てる場合は使用借権ということもあります。 

これは分譲マンションにおいても同様であり,専有部分を購入する場合には土地を使用できる権利も併せて取得する必要があります。このようなマンションが建っている土地のことを「敷地」と呼び,敷地を使用できる権利のことを「敷地利用権」と呼びます。なお,敷地は多くの区分所有者が利用しますので,敷地利用権は共有となり,各部屋の大きさに応じて共有持分を取得することが一般的です(区分所有法22条2項,同法14条)。 
 

「敷地利用権」と「敷地権」

 

上記のとおり,専有部分を所有するためには,敷地利用権たる所有権,地上権,賃借権,使用借権のいずれかの共有持分が必要です。 

したがって,専有部分を購入する場合は,専有部分の名義を変えることに加えて,敷地利用権の持分の名義も変えなければなりません。ただし,所有権,地上権及び賃借権については,登記をすることができますが,使用借権については登記をすることが認められていませんので,敷地利用権が使用借権の場合は登記をもって第三者に対抗することができませんが,そもそも分譲マンションの場合は赤の他人同士が所有していると思いますので,敷地利用権が使用借権ということは通常はありえないと思います。 
 

話を戻して,専有部分を購入するためには敷地利用権についての名義も変えることとなりますが,区分所有権はそれで1つの所有権として存在するため各部屋ごとにそれぞれ登記簿が存在するものの,土地については敷地全体を区分所有者全員で共有しているため,登記簿は1つしかありません(敷地が2つ以上あれば,登記簿も同数となります。)。とすると,土地については区分所有者全体の住所や名前が載っていますし,区分所有者が変わるたびに書き換えられていきますので,時の経過とともにものすごく膨大な量になっていきます。さらに,共有持分も「1234万5678分の12万3456」といったように細かい分数で表示されることが多く,何かしらのミスによって全員の持分を合計しても「1」にならないというような事態が生じてしまうことがあります。 
 

また,原則として敷地利用権は専有部分とは別に処分することができません(区分所有法22条1項)。例えば,あるマンションの専有部分及び敷地利用権の共有持分を所有しているAさんが専有部分をBさんに,敷地利用権をCさんに譲渡したとします。しかし,Bさんは敷地利用権がないので専有部分を使用することができませんし,逆にCさんは敷地利用権だけもらっても何もできません。まったくもって無意味です。したがって,法律では,専有部分と敷地利用権は別々に処分することができないことになっています。 
 

とすると,どうせ別々に処分できないのであれば,専有部分の登記簿に敷地利用権もセットにして,専有部分を譲渡すれば敷地利用権も自動的に譲渡したことになるようにすれば簡便ですよね? 

このように専有部分の登記簿に敷地利用権をセットにした時の敷地利用権のことを「敷地権」と呼び,このようなセットにすることを「敷地権化」と呼んでいます。敷地権は登記することが前提となりますので,所有権,地上権,賃借権に限られており,使用借権が敷地権となることはありません。 
 

すべてのマンションが敷地権化されているわけではない

 

現在,新しく建てられている分譲マンションはほぼ間違いなく敷地権化されており,専有部分を譲渡すればセットで敷地利用権もついてきます。しかし,昭和の時代に建てられた分譲の団地などは敷地権化されていないことが結構あります。この敷地権の有無は,登記簿を見て確認するしかありません。以下,それぞれのケースのサンプルとなります。 
 

【敷地権化されているマンションの登記簿】

①専有部分の登記簿
 

専有部分の表示の下に,敷地権の種類(所有権or地上権or賃借権)及び共有持分が記載されています。

 
 

②敷地権化された場合の土地の登記簿

 

敷地権化された後は,上記のとおり土地の持分等は専有部分の登記簿によって反映されていきますので,土地については敷地権化された旨の登記がされ,以降は共有持分の変更などがあっても土地の登記簿はなにも変わりません。

 
 

【敷地権化されていないマンションの登記簿】

敷地権化されていればあるはずの敷地権の記載がありません。

 
 

なぜ実費が変わるのか

 

登記簿謄本(登記事項証明書)は,取得方法によって金額が異なりますが,当事務所では1通当たり500円で取得しており,事前調査のための登記情報は1通当たり335円となります(自動見積もりだと337円と表示されますが,実際に見積書を作成する際には335円となります。システムの変更が追い付いておらず申し訳ございません<(_ _)>)。

 

敷地権化されているマンションの場合,専有部分の登記簿謄本を取得すれば土地に関しても「敷地権に関する表示」として併せて記載されておりますので,専有部分の登記簿謄本を1通のみ取得すれば良いこととなります。

しかし,敷地権化されていないマンションの場合は,専有部分の登記簿謄本に敷地のことが記載されておりませんので,専有部分の登記簿謄本に加えて,敷地である土地の登記簿謄本も取得しなければなりません。そして,敷地が1筆であれば良いのですが,敷地が複数存在する場合は,すべての土地の登記簿を取得しなければなりません。例えば,下記の登記簿謄本は,敷地権化されているので専有部分のみ取得すれば良いこととなりますが,もし敷地権化されていなかった場合は敷地分の登記簿謄本を12通も取得しなければならず,敷地権化されている場合と比べて10倍以上の実費がかかってしまっていたことになります。

 

 

なお,抵当権抹消登記や住所氏名変更登記における登録免許税は不動産の個数×1000円となりますが,これは敷地権化の有無に関係なく同額となります。

したがって,上記の不動産の場合,専有部分と敷地12個で登録免許税は13,000円ということになり,仮に敷地権化されていなくても13,000円となります。

 
 

まとめ

 

以上からざっくりまとめると下記のとおりとなります。

 

敷地利用権 → 専有部分を所有するために必要な土地の利用権(所有権など)

敷地権 → 専有部分の登記簿に一体化されている場合の敷地利用権

登記事項証明書等の取得費 → 敷地権化されていれば専有部分の登記事項証明書1通のみで良いが,敷地権化されていない場合は敷地の登記事項証明書も必要となる。

抵当権抹消登記等の登録免許税 → 敷地権化の有無に関係なく,不動産の個数×1000円

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12月 27 2016

年末年始について

【お知らせ】

 

当事務所は,平成28年12月28日18時をもって年内の業務が終了となります。本年もたくさんのご相談,ご依頼をいただき誠にありがとうございました。

なお,年始は平成29年1月4日9時からとなります。

皆様,風邪などひかぬようくれぐれもご自愛いただき,良いお年をお迎えください<(_ _)>

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12月 19 2016

預金も遺産分割の対象に(最高裁判決)

本日,注目の最高裁判決がありました。 
 

 
 

ある方が亡くなると相続が発生し,不動産や自動車などは相続人の共有状態になるものの,預金などの可分債権に関しては,亡くなると同時に当然に法定相続分に応じて各相続人に相続されると考えられていました(例外的に,相続人全員の合意があれば遺産分割の対象とすることができました。)。
 

この際,特別受益や寄与分などは一切考慮されないため,単純に各相続人は銀行等に対して法定相続分相当額を払い戻してもらうことができ,当事務所でもそのような業務を行っておりました。
 

→ 一部の相続人からの預金の払い戻し
 

ところが,本日,最高裁判所が過去の判例を変更し,預金債権も遺産分割の対象(当然に分割されない。)との判決を出しました。

以下,本日の最高裁判決についてまとめたいと思います。 
 

【事案】

 

1 登場人物

Aさん→今回の被相続人。

Bさん→Aさんの妹でAさんと養子縁組をしている。

甲さん→Aさんの弟の子(Aさんからすると甥で,甲さんからみればAさんは伯父。)であり,Aさんと養子縁組をしている。

乙さん→Bさんの子(Aさんからすると孫)

 

2 時系列

(1)平成14年にBさん死亡

(2)Aさんは乙さんに対して,約5500万円を贈与

(3)平成24年にAさん死亡。これにより,相続人は,Aさんの子(養子)である甲さんとBさんになるのですが,すでにBさんは亡くなっているため,Bさんの子である乙さんが相続人(代襲相続人)となります。

(4)Aさんは預金約3800万円を残しており,これまでの判例からすると,甲さんと乙さんがそれぞれ約1900万円ずつ相続することになるが,甲さんが不公平(乙さんはAさんの生前に5500万円もらっている)だとして提訴。 
 

【最高裁判決】

 

→ 最高裁サイト
 

→ 判決全文(PDF)
 

理屈としては,なかなか説明がしづらいのですが,ざっくり言うと,「預金債権とともに預金契約上の地位や準委任契約等の債権債務も相続することになり共有状態が生じるのであるから,遺産分割の対象となる。」という感じです。いずれにしても,結論としては預金債権が当然に分割されることは無くなり,預金の払い戻しを受けるためには遺産分割協議が必要ということになります。 
 

【今までと異なる点】

 

1 各相続人が単独で支払いを求めることができなくなる。
 

この最高裁判決により,遺産分割協議がまとまらないと預金の払い戻しが受けられなくなりました。例えば,相続人の中に行方不明者がいたとしても,とりあえず相続分相当額だけ払い戻すということがありましたが,これができなくなりました。判決でも触れられていますが,葬儀費用や医療費の支払い,相続税の納税など,相続発生後すぐに大きな金額が必要になることがありますが,今後困りますね・・・。
 

もっとも,多くの金融機関が遺産分割協議がまとまらないと預金の払い戻しをしない取り扱いだったため,現実的にはあまり大きな差はないかもしれません。
 

2 特別受益等が考慮される。

最高裁が実質的な公平を図るためにこの判決を出した理由でもあります。
 

従前のままの取扱であれば,約3800万円の預金は約1900万円ずつ分けられていましたが,今回の最高裁判決により遺産分割の対象となったことから特別受益(乙さんがAさんの生前にもらっていた約5500万円)が考慮され,恐らく預金については全額甲さんが取得することになると思います。

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11月 25 2016

されど住所変更登記

登記簿に登記されている所有者の方の住所が現住所と異なる場合,何かの登記申請を行う前に必ず住所変更登記をしなければなりません。

例えば,抵当権抹消登記のご依頼をお受けしたときに,所有者の方のご住所が「名古屋市名東区」になっているが,現在のお住まいが「長久手市」の場合は,名東区から長久手市に住所が変わった旨の登記申請を1件目に申請し,2件目に抵当権抹消登記を申請することになります。
 

この住所変更登記ですが,単に住所が変わっているだけであり,住民票などで住所移転していることはわかるため,司法書士的には比較的簡単な部類の登記となるのですが,実は奥が深く,悪戦苦闘することがあります。
 

また,悪戦苦闘するケースの場合は,その分依頼者の方の費用も余分にかかることとなりますので,今後,依頼者の方に説明させていただく際にも使えるよう,住所変更登記についてまとめておきたいと思います。 

 

オーソドックスなケース

 

(1)転居前の住所が登記されている場合
 

名東区から長久手市に転居した場合,長久手市の住民票を取得すると「前住所」の欄に名東区の住所が記載されていますので,登記簿に名東区の住所が登記されているようであれば,長久手市の住民票があれば登記申請は通ります。
 

(2)何度か転居している場合

最新の住民票を取得しても,「前住所」の欄には直近の住所しか記載されていないため,これでは足りないことから,その前の住民票も取得する必要があります。
 

また,本籍地のある役所において,「戸籍の付票」を取得することでその本籍地に置いてからの転居の履歴の証明書を得ることができますので,「何度も転居はしているが本籍地はずっと同じ」という場合は戸籍の付票ですべて解決することが多いです。
 

(3)地名変更等による場合
 

当事務所の「長久手市杁ケ池106番地2」は数年前まで「愛知郡長久手町杁ケ池106番地2」でしたが,長久手町が長久手市になったという「市制施行」により住所が変わっています。また,「区画整理」により地名が変わることもあります。例えば,長久手市内にあった「根嶽」という地名は3年前に区画整理によって「市が洞」という地名に変わりました。
 

さらに,名古屋市中心部などおいては,「○○番地」という住所が「住居表示実施」により「○番○号」という住所に変わっています。
 

このように,本人の意思に関係なくされた変更の場合,登記申請をする際の登録免許税は無料となっており,地名変更等の証明書の発行も無料となります。もっとも,登記申請を司法書士に依頼した場合の費用はかかってしまいます。 
 

悪戦苦闘するケース

 

(1)住所がつながらない

転居した場合,新住所に異動した後は,旧住所にあった住民票は除票となり,5年経過によって廃棄されてしまいます。したがって,転居を繰り返していらっしゃる場合は,除票の保存期間の経過により,住所の履歴を証明できないことがあります。この点,除票が取得できなくても,「戸籍の付票」で住所の履歴を証明することができる場合がありますが,除籍(改正原戸籍)となった後の付票も除票同様5年の経過により廃棄されてしまうため,住所と本籍地を同時に変更されている場合は,除籍の付票によっても住所の履歴の証明ができないことになります。
 

このような場合,最終的には各法務局の判断とはなりますが,一般的には下記の書類を添付することで登記申請が通ることになります(ただし,必ずしもすべて必要となるものではありません。)。
 

①不在住証明書

→登記簿の住所地に住所がないことの消極的な証明
 

②不在籍証明書

→登記簿の住所地に本籍がないことの消極的な証明
 

③権利証

→不動産の所有者であることを強く推定することができる書類
 

④申述書(印鑑証明書付)

→「除票等の保管期間経過により証明することはできないものの,このような経過で住所移転をしました。」ということをご自身で証明するもので,実印と印鑑証明書が必要となります。
 

⑤固定資産税の納税通知書(納税証明書)

→不動産の所在と所有者の新住所が記載されている
 

(2)住所移転などはしていないが,登記簿に記載された住所が間違っている

登記簿に記載された住所が間違っている場合は,所有者がかかわる登記は何も申請することができないので,前提として正しい住所に直す必要があります。

登記簿に記載された住所が間違っている原因として大きく分けて2つのパターンがあり,1つ目は法務局が登記または移記する時に間違えた場合,2つ目は申請した本人または司法書士が申請書に誤った住所を書いていた場合です。

まず,前者の方は簡単です。法務局のミスなので,直してほしい旨を伝えれば直してもらえます。特段申請書などはありませんし,費用もかかりません。概ね1週間程度で直ります。もっとも,法務局のミスかどうかを確認するためには,閉鎖登記簿や申請書を確認する必要があります。
 

一方,申請者側が間違えてしまった場合は,「住所の更正登記」を申請して正しい住所にしなければなりません。その場合,正しい住民票のみで登記申請が通ることもありますが,上記のとおりの不在住証明書等を要求されることもあります。 
 

住所変更登記に関する細かい話

 

住所にマンションやアパートを登記するか否かは自由ですが,マンション名を登記した場合に同じマンション内で部屋を変わったときは住所変更登記が必要になります。
 

住所移転→町名変更の場合は登録免許税は不要となりますが,町名変更→住所移転の場合は登録免許税は必要となります。
 

「○番屋敷(○番戸,○番邸)」から「○番地」となった場合は変更登記が必要です。
 

当事務所の変更のように,町→市への変更だけで町名(杁ケ池)や地番(106番地2)等に変更がない場合は,そもそも変更登記の申請はしなくても良いことになっています。また,住所に「字」が追記された場合,住所変更登記は不要であり,あえて住所変更登記をする場合も登録免許税は無料です。逆に「字」が無くなった場合も同様です。
 

何度住所変更をされていても,最新の住所のみを登記すればよく,登記費用も1回分しかかかりません。
 

申し出や役所の職権により,住民票が訂正された場合は,錯誤による更正登記が必要です。なお,職権による変更でも登録免許税がかかってしまいます。
 

何度も転居を繰り返し,結果的に登記簿に記載されている住所に戻ってきた場合は,住所変更登記は不要です。

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9月 18 2016

休眠抵当権に関するページの追加について

以前,ブログでもまとめておりましたが,全国よりたくさんのお問い合わせをいただいていたため,休眠抵当権に関するページを追加いたしました。 
 


 
 


 

こちらの手続については,通常の抵当権抹消登記やその他の登記と異なり,登記簿の内容は千差万別であり,ご入力いただく項目が膨大になってしまうため相談フォームを設けることができませんでした。
 

つきましては,休眠抵当権のご相談につきましては,大変お手数をお掛け致しますがお電話にてお問い合わせいただきますようお願いいたします。

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8月 26 2016

臨時休業のお知らせ

平成28年8月29日及び30日について,臨時休業とさせていただきます。

上記期間にいただきましたお問い合わせにつきましては,31日に回答をさせていただきます。

大変ご迷惑をお掛け致しますが,なにとぞよろしくお願いいたします。

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